更なる改革へ

明治期において最も見られた日本医療の革新

日本医療は江戸以前までは僧侶が行うものとして認知されていたが、徳川幕府が誕生して江戸の世へと変遷したことによって、日本医療は秩序とはかけ離れた体制を形成して行くことになってしまう。それとなくバランスが取れていた医療分野がかき乱されるようになってしまったことで、江戸の町ではどの医者を信じることができるのかという疑心暗鬼の状態を形成していったことだろう。そう考えると現代でも良く見られている日本人の医師不信もここから引き継がれている感情なのかもしれない。

そしてこうした状況を改革するために、明治政府は改善策を打ち出していこうとしますが、結局は机上の空論を展開しているだけで、長崎という江戸の時代からオランダから提供された蘭学によって先進的な医療を研究していた機関からの警告を持ってして、ようやくまともに動き始める。どうしようもないが、そこからきちんと統制されていったのでまだ良しとするべきかもしれない、この時医療と医薬品の分業が確立されていなかったら酷い状況は継続していたかもしれない。

とはいえ、明治期に突入した時点で日本医療に変化の兆しを見せていたのです。特に医療観の変化というものが大きく取り上げることが出来る。どのように変化したのかというのを、簡単に挙げると次のようなものだろう。

  • 1:西洋医学の導入による、技術改良
  • 2:医療を行なうために、サービスの質と量を向上させる
  • 3:医師を養成し、治療機関の設立が求められる

上記三つは基軸として考えても非常に重要であり、また現在の日本医療の形態を形成するために必要な変化だった事は間違いない。特に医師の養成については急務を要する事態だった。それまでの日本では医師になるには名乗り出れば、それだけで医療活動を行うことが出来る無法状態だった。そうした中で明治政府は医師としての室に着目して規制を導入したことによって、日本医療の質というものが改善されていくことになる。

江戸時代の医師は社会的地位の低いものでありましたが、明治維新をきっかけにして医師としての資質と共に、医師として活動している者が医療とはどのようなものなのかという、社会的使命が重要な指針であるということを示すようになったのです。日本医療の大きな前進の1つだ、医薬品と医療分業でもめてはいましたが、医師問題に対してメスを入れていたのです必ずしも何もしていなかったわけではないようだ。

病気を研究するという考え

今で言うところの病院という考え方について、日本と西洋においては全くといっていいほど異なる状況だった、特に日本は一時期論外とも言える惨状だった。日本でも西洋でも、医療が宗教活動の一種として行なわれていたのは共通している、そして救貧施設を建設し、そこで無償の施療を行うというところも、日本は江戸にはいるまではそれぞれの国にもよるところですが、実施されていた。やはり一時期日本医療の歴史に傷をつけるようになったのは江戸時代のようだ、そんな日本で混迷しつつある中で西洋では救貧施設において医師が配備されて、見返りなど求める事無く治療に励んでいました。この姿勢は江戸からは日本には見られなくなった体制だ、誰でも医師として活動できるなんて流布されていた頃、西洋医学において医療発展に余念がなかった。

特に画期だったものとして、救貧施設において医師たちが患者と直接関わることにより治療と、そして努力空しく助けることが出来なかった患者の遺体を元にして病理解剖するなど、研究に研究を重ねていく。長い年月において研鑽された知識はやがて書物にまとめられるようになり、人体構造をより詳しく記した解体新書などが作成されるようになり、西洋医学は臨床医学として歴史的飛躍を遂げることになる。

治療という手段に対して

しかしこうした西洋医学においても問題は介在していた、その中でも中々興味深いものと感じたのが『治療という手段』についてだ。今でこそ医師による病気の診察と処方に関しては、健康を回復するための手段であり、まだ健康が損なわれている際に行う過程の1つとして見られている。しかしながら、中世のヨーロッパなどでは治療の結果によって病気が改善するかどうかという部分に焦点が当てられていた。そのため、病気を治すことができなければ問題となり、医師と患者間で医事紛争が巻き起こるなどは常識ともいえるような事態だったという。

こうした中で西洋医学においても医療観の変化をもたらしたきっかけとしては、病院の設立によって患者を治療する施設が普及したことによって、価値観が改められるようになったのです。それまでは医師も患者に対しての治療は条件付で成果を約束するという、失敗するのであれば治療を受けないという極端な考え方が根付いていたことを意味している。

日本に大きな変化をもたらす事になった、それまでの医療観にはない新しい価値観をもたらした西洋医学も、現代のように治療とはいかなるものなのかという考えに行き着くまではかなりの時間を要したことになる。日本に変化をもたらした西洋医学も相当苦労していた、その点も留意すると面白いかもしれない。

日本の医療史の始まりは・・・。